2025年4月、自身3回目の令和7年度春期ネットワークスペシャリスト試験を受験してきました。
そして遂に3度目の挑戦で合格しましたので、”合格体験記”として勉強方法などを紹介していきます。
本記事では、過去2回の不合格から得た教訓、合格に至るまでの勉強方法、使用した教材、モチベーションの保ち方などを、全て実体験で詳しくご紹介します。
本記事は以下の流れで書いていきます。
- ネットワークスペシャリスト試験とは?
- 筆者のプロフィールとネスペ試験受験のきっかけ
- 1回目〜3回目受験時の勉強方法や試験結果、反省点をご紹介
- 合格につながった4つの要因
- 3回の受験を経験して、筆者がおすすめする勉強方法
- これから受験する方へのメッセージ
これからネットワークスペシャリスト試験に挑戦される方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
はじめに

ネットワークスペシャリスト試験とは?
ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の中でもネットワークに関する高度な専門知識が問われる国家試験の一つです。
ネットワークの設計・構築・運用・管理に関する深い理解が必要とされ、毎年多くの受験者が合格を目指して挑戦しています。
合格率は例年12〜16%前後と非常に難易度が高い試験であり、専門的な学習と実践的な対策が欠かせません。
詳しくは過去の記事で解説していますのでこちらの記事もお読みください。
自己紹介と受験のきっかけ
まずは私の自己紹介から。
私が試験に挑戦した理由は、漠然と「何か高度情報技術者試験を取得したい…」と思ったことに始まります。
その中で見つけたのが、業務との親和性が高そうな”ネットワークスペシャリスト試験”でした。
最初は「漠然とした決意」しかありませんでしたが、受験を重ねるうちに、「どうしても合格したい」という気持ちが強くなり、そこから長い戦いが始まります。
この記事では、その経験を通じて得た学習法や心構えを詳しくお伝えしていきます。
1回目の受験|圧倒的な勉強不足を痛感
学習方法と使った教材
1回目の受験で使用した教材は、以下の3つです。

- ネットワークスペシャリスト合格教本(著:岡嶋 裕史)
- ネスペの基礎力(著:左門 至峰・平田 賀一)
- ネスペワークブック(著:左門 至峰・平田 賀一)
勉強は以下の流れで取り組みました。
- STEP .1使用教材:ネットワークスペシャリスト合格教本(2周)
知識定着を意識して読みこむ。
- STEP .2使用教材:ネスペの基礎力(2周)
ネットワークの体系的な理解を意識しながら演習を行う。
- STEP .3使用教材:ネスペワークブック(2周)
STEP.1〜2で定着させた知識のアウトプットを意識して問題を解く。
- STEP .4使用教材:ネットワークスペシャリスト合格教本(1周)
午後Ⅰおよび午後Ⅱの演習実施および解説を読みこむ。
- STEP .5試験本番
この中で、特に「ネスペの基礎力」は非常に学習に役立ったと感じています。
初受験の私には、ネットワークを取り巻く構成要素がどんなものか、体系的に理解することができました。
ただ、あまり本腰を入れて勉強しておらず、STEP.4の過去問演習が1周だけとなってしまいました。
試験結果について

そんな感じで挑んだ1回目の受験ですが、午後Ⅰ試験で撃沈してしまいました。(40点)
午後ⅠはHTTP/2と無線LANについての設問を選択しました。(残り1問はIPマルチキャストに関する問題だったのでハナから選択しませんでした)
個人的には無線LANに関する設問が非常に難しく、さっそくネットワークスペシャリストの洗礼を受けたたような気がします。
1回目受験時の反省点:圧倒的な勉強不足
1回目の受験時の反省点は、何よりも勉強不足ということでした。
勉強期間は2ヶ月程度、勉強時間は70時間程度でした。
また、午後試験の過去問演習は「ネットワークスペシャリスト合格教本」に掲載されてあるものを1周解いた程度で受験してしまいました。
何よりも試験範囲の広さや難易度を過小評価し、「なんとかなるだろう」という気持ちで臨んだのが最大の失敗だったと思いました。
2回目の受験|手応えはあったが不合格
勉強方法の見直しと工夫
1回目の受験を踏まえて、「圧倒的に過去問演習が足りない」と反省しました。
そこで購入した書籍が「うかる!ネットワークスペシャリスト」です。
この書籍の優れている点は、なんと言っても平成21年度〜令和4年度までの全ての問題・解答・解説がWeb上でダウンロードできる点ですね。
※令和5年度分の解答・解説は書籍内に記載されています。
正直、付録が本体と言っても過言ではありません。
もちろん、解説もとてもわかりやすく丁寧でした。

私は下の画像のように、平成30年〜令和4年までの問題・解答・解説を全て印刷し、いずれかの年度の問題および解説を常に持ち歩くようにしました。

会社帰りや土日なども近所のサンマルクカフェに行き、ひたすら勉強する毎日。
印刷した平成30年〜令和4年までの午後問題を3周行い、学習期間は約4ヶ月、学習時間は計260時間程度でした。
この時は「Study plus」というアプリで学習時間の記録を付けていました。

試験結果について

勉強時間をしっかり確保して挑んだ2回目の挑戦ですが、残念ながら不合格となってしまいました。
IPAのマイページで「不合格」の3文字を見た瞬間、目眩がしたのを覚えています。
午後Ⅱはセキュリティ寄りの設問を選択し、少し手応えはあったのですが不合格という結果になってしまいました。(52点)
2回目受験時の反省点:根詰めすぎた
2回目の受験では、「今度こそ合格したい」という思いが強すぎるあまり、かなり根詰めて勉強していました。
平日も仕事終わりに勉強し、休日も割と長い時間机に向かって勉強していました。
しかし今思うと、勉強時間を確保すること自体が目的になってしまい、内容の理解や思考の整理がおろそかになっていたんだろうと思います。
疲れが溜まって集中力が落ちたまま問題に取り組んだり、気持ちばかりが焦って身にならない学習をしていました。
「量」も大切ですが、合格にはそれ以上に「質」が大切だと痛感したのが、この2回目の経験です。
ただ、“過去問や解説を印刷して常に持ち歩き、どこでも勉強できるようにする”というやり方は、個人的にはかなり良かったと思います。
3回目の受験:前回の反省点を分析し再挑戦
3回目の受験は前回の反省を分析し、少し余裕のあるスケジュールで、あまり肩肘張らず取り組もうと決心しました。
勉強方法の変更点
2回目の「うかる!ネットワークスペシャリスト」での印刷した解説等を保管していたので、今回も同様の勉強方法で…と考えていました。
ただ、もっと色々な解説を見てみたいと思い、左門至峰先生の「ネスペ」シリーズR3〜R6の4冊を購入し勉強することに。

ネットワークスペシャリスト試験の定番中の定番の解説書ですね。
大きな特徴として、試験1回分の午後Ⅰ・午後Ⅱの設問を1冊を使ってしっかり解説している点です。
設問に関する解説はもちろんのこと、関連技術などについても深く書かれているため、非常に幅広い知識が身に付きます。
(所々書いてある左門先生のコラムも個人的に好きだったりします)
私は過去4回分を購入し、それぞれ2周ずつ勉強しました。
今回の勉強方法は2回目以上によい試験対策になったと感じています。
学習期間は約3ヶ月、学習時間は計140時間程度と、2回目受験時より大幅にダウンしました。
ただ、勉強時間を抑えたことが精神衛生上には非常にプラスに働いたと思います。
試験結果について

2025年7月3日に結果発表があり、見事合格していました!
正直「合格した」という達成感よりも「ようやくネスペから解放された…」という安心感の方が強かったです。
試験終了時、手応えは割とありましたが合格発表日までは気が気ではありませんでした。
合格につながった4つの要因

3度目の受験でようやく合格できた理由をふり返ると、大きく4つの要因があったと感じています。
不合格の反省点を次回に活かすことができた
過去2回の受験を通して見えてきた課題(勉強不足や根詰めすぎた)を1個ずつ見直し、自分に合った学習方法を見直しました。
“自分なりに模索しながら学習“していたため、楽しみながら勉強できた点もプラスに働いたと思います。
モチベーションを維持できた
勉強する際、周りの人たちに”ネットワークスペシャリストの勉強をしている“ということをアピールしていました。
こうすることにより自分を追い込み、「勉強しなければ」と考えることによりモチベーションを維持しました。
また、試験日が近付くにつれて周りの方々も協力的に接してくれるようになりました。
皆さまも家族や職場の方などに”勉強しているアピール“をしてみるといいかもしれません!
学習習慣を定着できた
2回目の受験時は、約4ヶ月で総学習時間が260時間に達しました。(3回の総勉強時間は470時間程度)
単純計算で1日あたり2時間10分程度です。
正直、仕事もしながらなのでかなりしんどかったのですが、いざ試験が終わってみると”勉強しないと落ち着かない“体質になってしまいました。
この2回目の経験があったからこそ、合格に至ったのだと感じています。
最初はしんどいと思うのですが、「1日30分でもいいから机に向かう」というルールを課し、毎日勉強することを意識してみてください。
それを継続できれば、いつの間にか”勉強体質“になっていること間違いありません。
悔しさをバネにできた
2回目の受験で不合格だったとき、正直かなり落ち込みました。
そこそこ手応えもあり、「もしかしたら受かっているかも」と期待していただけに、「不合格」の文字を見た時はショックが大きかったです。
燃え尽き症候群のような感じで、「次回はもう絶対に受験しない」とまで思っていました。
しかし3回目の試験が近づくにつれ、沸々と悔しさが込み上げてきました。
その悔しさが、「このままでは終われない」「次こそ絶対に合格したい」という気持ちに火をつけてくれました。
今思えば、このときに感じた強い悔しさが、3回目の受験勉強を最後までやり切るエネルギーになっていたのだと思います。
最終的に行き着いたおすすめ勉強方法(午後試験対策)

私が最終的に行き着いた午後試験対策のおすすめ勉強方法をご紹介します。
それはズバリ、「ネスペの基礎力」+「ネスペ」シリーズの過去3〜5年分を利用した勉強方法です。
試験本番までの学習フローは以下の通りです。
- STEP .1使用教材:ネスペの基礎力
1周実施し、基礎知識をざっくり叩き込む
- STEP .2使用教材:「ネスペ」3〜5年分(1周目)
過去3〜5年分の書籍を購入し、過去問の演習を行う。
- 解答時間はそれほど意識しなくてOK
- ただし、解説の読みこみにしっかりと時間を充てる
- STEP .3使用教材:ネスペの基礎力
STEP.2の過去問演習で理解できなかった技術や分野を重点的に学習する。
- STEP .4使用教材:「ネスペ」3〜5年分(2周目)
もう一度、「ネスペ」を利用し、演習ならびに解説読みこみを行う。
- 2周目の演習は制限時間をしっかりと意識する!
- 苦手意識のある設問を洗い出しておく
- STEP .5使用教材:「ネスペ」シリーズ(3周目/苦手分野のみ)
STEP.4で実施した2周目の演習で、苦手な設問の演習を行う。
- STEP .6試験本番
この勉強方法のデメリットとして、「ネスペ」シリーズを複数冊購入しなければならないということです。
「ネスペ」シリーズはとてもわかり易く解説されているものの、1冊につき試験1回分しか収録されていません。
私の場合は「ネスペの基礎力」+「ネスペ」を4冊購入したので、書籍代でおよそ1万5千円分ほどかかっています。
ただ、ネスペ対策には非常に定評がある書籍なので、私は”自分への投資“と割り切って購入しました。
あくまで参考なので、皆さまも”自分なりの勉強方法“を模索してみてはいかがでしょうか。
さいごに(これから受験する方へのメッセージ)
以上が私が3回にわたりネットワークスペシャリストを受験してきた記録になります。
ネットワークスペシャリスト試験は、決して簡単な試験ではないと肌で感じると同時に、
出題範囲も広く、実務経験がないと厳しいと感じる場面も多くありました。
私自身、2度の不合格も経験し、言葉では言い表せないほどの自己嫌悪に陥っていました。
それでも私は、諦めなければ必ず前に進めるということを伝えたいです。
これからも、一生懸命頑張る皆さまを心の底から応援し続けます。
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