
ネットワークスペシャリスト試験対策本は沢山あるけどどれを使えばいいんだろう…
情報処理技術者試験の中でもレベル4(最高)に位置するネットワークスペシャリスト試験。
私自身、3度の挑戦でようやく合格することができました。今回は、合格までに活用した参考書5冊+技術書3冊を厳選して紹介します。
試験勉強を始めた当初は、どの書籍を使えば効率的に学べるのかとても迷いましたが、有効な書籍と計画的な学習を行うことで知識が定着していくことを感じました。
この記事では、それぞれの書籍がどのように役立ったか、主観ではありますが5項目のレーダーチャートを用いて評価していきます。
また、記事の後半は私が考える学習ロードマップも作成していますので、ぜひ最後までご覧ください。
どの書籍がご自身に合うかの判断にしていただければ嬉しいです。
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午前・午後両方に対応した参考書2選
まずはネットワークスペシャリスト試験の全体像を掴むことが重要です。
私自身、学習初期は「そもそも試験範囲がわからない」という状況で、基礎力も全くありませんでした。
この章では基礎固めに役立ち、試験に網羅的に対応している参考書をご紹介します。
1-1.情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト

本書の特徴
合格するための知識・解き方を詳しく解説した「情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト」で、初学者にもピッタリ。特に注目すべきは、過去15年分の解説PDFがダウンロードできる点です。
| 著者 | ICTワークショップ |
| 出版社 | 翔泳社 |
| 発売日 | 2025年9月24日 |
| ページ数 | 704ページ |
| サイズ | 21 x 14.8 x 3.2cm(A5判) |
| 電子書籍版 | あり |
| 定価(税込) | 3,278円 |

本書のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 午前および午後試験の全体対策に最適 | 過去問解説は若干表現がわかりづらい |
| 2色刷りで図表も非常に見やすくGood | |
| 過去15年分の過去問解説もダウンロードでき、網羅性もバッチリ |
| 試験対策総合評価 |

何を買えばいいか悩んだ方はとりあえず本書を選ぶべし!
1-2.ネットワークスペシャリスト 合格教本

本書の特徴
主に午前試験対策がメインとなる本書。初学者で基礎知識の定着をしたい方にもピッタリの1冊です。ただし、午後試験は収録年度も少なく物足りなさを感じる。
| 著者 | 岡嶋 裕史 |
| 出版社 | 技術評論者 |
| 発売日 | 2025年9月11日 |
| ページ数 | 720ページ |
| サイズ | 21 x 14.8 x 3.7cm(A5判) |
| 電子書籍版 | あり |
| 定価(税込) | 3,300円 |

本書のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 午前対策に重点をおいており、知識の底上げには最適 | 午後対策には物足りない |
| 2色刷りで図表も見やすい | 過去問対策は「情報処理教科書」に軍配が上がる |
| 用語解説も丁寧でGood! |
| 試験対策総合評価 |

初学者にはおすすめの1冊!
午後試験対応のための参考書3選
午後試験は、午前試験で培った基礎知識を用いて、実務に近い問題を解くことが求められる試験です。
単に知識を覚えるだけでなく、体系的に理解をして記述を組み立てていく必要があります。
この章では、午後試験対策に特に効果的だった参考書を紹介します。
2-1.ネスペの基礎力 -プラス20点の午後対策

本書の特徴
午後試験対策としてまず皆さまにオススメしたいのがこの1冊。「基礎知識の積み重ね」に重点を置き、午後試験の得点を20点伸ばし合格を目指すことを目標としている。
| 著者 | 左門 至峰 |
| 出版社 | 技術評論者 |
| 発売日 | 2017年5月19日 |
| ページ数 | 424ページ |
| サイズ | 21.1 x 14.9 x 2.3cm(A5判) |
| 電子書籍版 | あり |
| 定価(税込) | 2,816円 |

本書のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 基礎固めに最適 | ネットワーク初心者向けの書籍ではない点に注意 |
| 実際のコマンド画面なども掲載しておりイメージがつきやすい | 本書単体では合格は難しい |
| 設問と解説がセットになっていて読みやすい | 発売日が若干古い点に注意 |
| 試験対策総合評価 |

基礎力を底固めしたい方にぜひ!
2-2.ネスペ「ワークブック」

本書の特徴
アウトプットに重点を置き、手を動かして理解する形式の「ワークブック」。短答式問題をベースに、要所要所に過去問演習が含まれている。手軽に学習したい方にオススメの1冊。
| 著者 | 左門 至峰 |
| 出版社 | 技術評論者 |
| 発売日 | 2017年5月19日 |
| ページ数 | 344ページ |
| サイズ | 21.1 x 14.8 x 1.8cm(A5判) |
| 電子書籍版 | あり |
| 定価(税込) | 2,860円 |

本書のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 短答式でスキマ時間に実施できるのがGood! | 十分なインプットを終えた方向け |
| アウトプット力が鍛えられる | 本書単体では合格は難しい |
| 実際のコマンド画面なども掲載しておりイメージがつきやすい |
| 総合評価 |

スキマ時間を活用して学習できる!
2-3.「ネスペ」シリーズ

本書の特徴
ネットワークスペシャリスト試験といえば本書を思い浮かべる方も多いのでは。試験1回分の午後Ⅰ・午後Ⅱに絞って徹底的に解説している本書。解説だけでなく、試験の「クセ」や部分点の狙い方なども記載されている。
| 著者 | 左門 至峰 |
| 出版社 | 技術評論者 |
| 発売日 | 2024年11月13日 |
| ページ数 | 336ページ |
| サイズ | 21 x 14.8 x 1.9cm(A5判) |
| 電子書籍版 | あり |
| 定価(税込) | 2,970円 |

本書のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| とにかく解説がわかりやすいのがGood | 単体では合格は難しく、同一シリーズ複数冊で学習するのが超オススメ |
| 前年度の午後問題に特化した1冊 | |
| 左門先生のコラムも秀逸 |
| 試験対策総合評価 |

直近4〜5年分で学習するのが最適!
理解を深めた技術書3選
試験勉強を進めていく中で、「参考書だけでは深い知識が習得できない…」という悩みがありました。
そんな時に役立ったのは、ネットワーク技術の根本理解を深めるための”技術書”です。知識に立体感が生まれ、応用問題への対応力が増しました。
この章では、理解の土台を強固にしてくれた技術書3選をご紹介します。
3-1.マスタリングTCP/IP 入門編

本書の特徴
TCP/IP解説書の決定版とも言える本書。ネットワークの生い立ちからプロトコル、インターネットなどを体系的に学ぶことができる。ネットワークを支える技術の根幹部分を理解できる良書だと思います。
| 著者 | 井上 直也、村山 公保ほか |
| 出版社 | オーム社 |
| 発売日 | 2019年12月1日 |
| ページ数 | 398ページ |
| サイズ | 25.9 x 18.5 x 2.3cm(B5判) |
| 電子書籍版 | あり |
| 定価(税込) | 2,420円 |

本書のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ネットワークの根幹を学べる | あくまで入門であるため注意 |
| 図解で具体的に理解できる | 初学者にはとっつきにくい |
| 試験対策総合評価 |

ネットワークの基礎固めにぜひ!
3-2.DNSがよくわかる教科書

本書の特徴
DNS入門の決定版とも言える本書。DNSの仕組みからリソースレコード、DNSの運用ノウハウ、DNSのセキュリティ技術など、順を追って解説されています。仕組みが分かりづらいDNSについてすっきり理解できる1冊。
| 著者 | 渡邉 結衣、佐藤 新太ほか |
| 出版社 | SBクリエイティブ |
| 発売日 | 2018年11月22日 |
| ページ数 | 332ページ |
| サイズ | 21.1 x 15 x 2.2cm(A5判) |
| 電子書籍版 | あり |
| 定価(税込) | 2,508円 |

本書のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 実務にも強く応用できる | 良くも悪くも領域特化型 |
| 午後問題はDNSが頻出のため対策にバッチリ | 試験では出題されない領域も含まれる |
| 試験対策総合評価 |

DNS対策のお供に!
3-3.体験しながら学ぶ ネットワーク技術入門

本書の特徴
実際にLinuxコマンドを実行しながら、パケットの流れやルーティングの仕組みを「手を動かして」理解していく実践的な1冊。知識をスキルに昇華させていくのに最適。ただし、解説はWindowのみなので、Macなどを利用している方は注意。
| 著者 | みやた ひろし |
| 出版社 | SBクリエイティブ |
| 発売日 | 2024年1月13日 |
| ページ数 | 412ページ |
| サイズ | 23.3 x 18.2 x 2.64cm |
| 電子書籍版 | あり |
| 定価(税込) | 3,520円 |

本書のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 知識をスキルに昇華したい方向け | 環境構築でつまずくことも |
| ハンズオン形式で定着しやすい | 手軽に実施できず、時間にゆとりのある方向け |
| Mac環境で実施できるかは不明 |
| 試験対策総合評価 |

時間はかかるが、より実務寄りの経験が欲しい方に!
参考書おすすめ活用ロードマップ
ここまで紹介してきた書籍はぞれぞれの役割が明確であり、どれも手に取って頂きたいものばかりです。
しかし、

書籍が多すぎてどう活用すればいいのかわからないよ…
という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本章では午前Ⅱ〜午後Ⅱ試験について、これまでご紹介した書籍をどのように活用すればいいのか、私なりのロードマップを作成しました。
学習する際の参考にしていただけると嬉しいです。
4-1.合格までのロードマップ
それでは早速、合格までのロードマップをご紹介していきます!
- 情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト
- ネットワークスペシャリスト過去問道場
- ネスペの基礎力
- 「ネスペ」シリーズ4〜5年分
- STEP.1試験の全体像と基礎力を固める(2周)

まず取り組むべきは、試験範囲の把握と基礎知識の整理です。本書の「知識編」を2周実施することをおすすめします。
- 1周目:全体像を掴むために読み進める(完璧を求めない)
- 2周目:1周目では得られなかった理解の穴を埋める
- STEP.2知識の定着を行う
使用教材:ネットワークスペシャリスト過去問道場

「ネットワークスペシャリスト過去問道場」を用いてSTEP.1で得た知識をさらに定着させます。スキマ時間を使ってSTEP.3〜4と並行しながら学習します。
- STEP.3“考える力”を身に付ける(2周)
使用教材:ネスペの基礎力

午後試験で必要な”考える力”を身につけます。本書を使って問題文を読み解く力を身につけていきましょう。
- 1周目:知識と知識を繋ぎ合わせることを意識する
- 2周目:“理解のズレ”を修正していく
- STEP.4午後試験の実践演習(3周)
使用教材:「ネスペ」シリーズ4〜5年分

解説が非常にわかりやすい「ネスペ」シリーズを用いて学習します。午後試験に慣れる+理解を深めるに重点を置き仕上げていきます!
- 1周目:最後まで解き切り、解説をしっかり読み込む
- 2周目:制限時間を意識し解いていく
- 3周目:2周目で不安が残る分野を再度解く
————もしくは————
使用教材:情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト【付録】

なるべくお金をかけたくない方は「情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト」の付録を利用するのもオススメ!過去問解説(Webダウンロード)を使用し、5年分程度を徹底的に回すことで一気に合格ラインへ引き上げていきましょう!
※技術書については、ご自身が必要だと思ったタイミングで「まだまだ知識が不足しているな」と思うジャンルを勉強しましょう。
STEP.4は「ネスペ」シリーズ複数冊で学習する or 「情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト」の付録で学習するのがおすすめです。
投資を惜しまない方は前者を、なるべくコストをかけたくない方は後者を選択してください!
まとめ
ネットワークスペシャリスト試験の参考書は数多く存在し、私自身も書籍選びはとても迷いました。
3度の受験で学んだことは、正しい書籍を選択し、正しいロードマップを描ければ必ず合格できるということです。
この記事が試験への指針となり、最初の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
一緒に合格を掴みにいきましょう!





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