ネットワークスペシャリスト(NW)試験とは

ネットワークスペシャリスト
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本記事では、ネットワークスペシャリスト試験の概要・対象者像などを解説していきます。

ネットワークスペシャリスト試験とは
  • 独立行政法人「情報処理推進機構」(IPA)が主催する国家試験のひとつ
  • レベル4(高度情報処理技術者試験/最高レベル)に分類される
  • 毎年4月第二週の日曜日に実施される(年に1回の開催)
  • 略号は「NW」、略称は「ネスペ」


ネットワークスペシャリスト試験は筆者もすでに2回不合格となっております。

2025年春に3度目の受験を予定しており、主に午後試験を中心に学習しながら、皆さんに解説・情報発信できればと思います。
私もまだまだ未熟な身ですが、皆さまのお役に立てる記事を書いていければと思います。

筆者のプロフィールもご覧頂けるとありがたいです。

ネットワークスペシャリスト試験の対象者像

ネットワークスペシャリスト試験の対象者像は以下のとおりです。(IPAより引用)

  • ネットワークシステムの企画・要件定義・設計・構築・運用・保守に携わる人
  • ネットワークに関連する固有技術を活用し、情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たす人
  • ネットワークの専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う人


本資格を保有していれば、社内・社外から見ても確かなネットワークの知識を保有している証明となることは間違いありません。
更なるキャリアアップを目指している方にとっても武器となること間違いなしです。

また、ネットワークはセキュリティと非常に密接な関係にあります。
セキュリティに従事する方などにとってもオススメできる資格だと思います。

ただ、本試験は主に企画や設計、運用・保守などの、ネットワークの知識的・概念的な部分を学ぶ試験が強い印象です。
そのため、本試験に合格したからといって、構築するスキルが向上する訳ではありません。

スキルを身に付けたいと思う方などは、Cisco社などが主催している「ベンダー資格」の受験を考えてみてもいいのかもしれません。(受験料が高いので、私はなかなか勇気がでないのですが…)

ネットワークスペシャリスト試験をおすすめできる人
  • ネットワークについての知識を深掘りしたい人
  • 転職などのキャリアアップを考えている人
  • ネットワークについての発言力が欲しい人   などなど

ネットワークスペシャリスト試験について

冒頭にも書きましたが、ネットワークスペシャリスト試験は情報処理技術者試験の最高レベルである【レベル4】に分類されます。

引用:ネットワークスペシャリスト ドットコム【ネットワークスペシャリスト試験の概要】

私はこれまで、高度情報処理技術者試験については「ネットワークスペシャリスト(2回)」、「データベーススペシャリスト(1回)」試験を受験しています。
どちらも不合格で終わっています。

試験は毎年4月の年一回のみ実施されます。
毎年1回しか実施されないため、しっかりと準備した上で試験に臨む必要があります。

ネットワークスペシャリスト試験の内容

ネットワークスペシャリストを含む情報処理技術者試験の受験料は、7,500円(税込)です。
ネットワークスペシャリスト試験については以下の内容で実施されます。

午前Ⅰ午前Ⅱ午後Ⅰ午後Ⅱ
試験時間9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)
出題形式多肢選択式
(四肢択一)
多肢選択式
(四肢択一)
記述式記述式
出題数30問25問3問
(解答数2問)
2問
(解答数1問)
合格基準点60点/100点60点/100点60点/100点60点/100点
免除制度あり
引用:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)|ネットワークスペシャリスト試験

また、前の試験が合格点に達していないと、次の試験は採点されないので注意しましょう。
・午前Ⅰが合格点に達していなければ午前Ⅱが採点されない
・午前Ⅱが合格点に達していなければ午後Ⅰが採点されない
・午後Ⅰが合格点に達していなければ午後Ⅱが採点されない

以降に各試験ごとの詳細を記載していきます。

午前Ⅰ試験

午前Ⅰ試験については、応用情報技術者試験の午前試験から出題され、問題内容については他のレベル4試験と共通です。
出題形式は四肢択一です。

午前Ⅰ試験のみ、免除制度が設けられています。
以下のいずれかの条件を満たせば、2年後の同時期実施試験までは免除対象となります。

午前Ⅰ試験の免除対象
  • 応用情報技術者試験(AP)に合格する
  • 他の高度情報処理試験または情報処理安全確保支援士試験に合格する
  • 高度情報処理試験または情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰに合格する

特に免除制度の3つ目がポイントです。
2年間の免除を受けるため、他の高度試験を受けてまずは午前Ⅰのみ合格を目指すという方も少なくないようです。

ちなみに筆者は2022年春に応用情報技術者試験に合格しました。
そのため、2025年以降は午前Ⅰの免除が受けられなくなってしまいました。
(応用情報は出題範囲が広いので全然やる気が出ないです…)

午前Ⅱ試験

午前Ⅱ試験も午前Ⅰ試験と同様、四肢択一での出題です。
午前Ⅰは他のカテゴリからも出題されますが、午前Ⅱはネットワークとセキュリティに関する知識問題が出題されます。
かなり深い知識が問われるので、しっかり過去問を解いて臨みましょう。

午後Ⅰ試験

午後からの試験は記述式の問題で、長文読解となります。
午後Ⅰ試験は設問が3問用意されており、その中から2問を選択して解答する形式です。

まずは3問とも目を通してみて、どの問題を解答するか選択することを第一優先としましょう。

試験の難易度は午後Ⅱの方が高いと思われがちですが、出題内容によっては午後Ⅰの方が難しいと思っています。
なぜなら、

  • 知っていないと答えられないような単語名などが問われる
    例)DHCPリレーエージェント、ステートフルインスペクションなど
  • 技術に特化した内容が出題される
    →午後Ⅱは国語力で解答できる問題も出題されることがある
  • 新技術などが出題された際の説明書きが少ない
    →午後Ⅱは新技術の説明や前提条件などが細かく書いてあることが多い

まずは午後Ⅰ試験でつまずく方も多いかと思います。

午後Ⅱ試験

そして最後は午後Ⅱ試験です。
前項で「出題内容によっては午後Ⅰの方が難しい」と書きましたが、やはり午後Ⅱもかなり難しいです。

設問が2問用意されており、その中から1問を選択して解答する形式です。
午後Ⅰ同様、どの問題を解答するかをまずは第一優先で決めましょう。

解答する問題が決まったらあとは解くのみ。とはいっても、問題文の長さだけで10ページほどあります…
技術的な知識を問われるのはもちろんですが、読解力で解ける問題も多々あります。

朝から試験を解いて脳は疲れ果てていると思いますが、最後の元気を振り絞って頑張りましょう!

合格率について

直近5年間のネットワークスペシャリスト試験の合格率です。

開催年受験者数合格者数合格率
令和1年(2019年)11,882人1,707人14.4%
令和3年(2021年)8,420人1,077人12.8%
令和4年(2022年)9,495人1,649人17.4%
令和5年(2023年)10,395人1,482人14.3%
令和6年(2024年)11,089人1,704人15.4%
引用:ネットワークスペシャリスト ドットコム【ネットワークスペシャリストの合格率 その他統計資料】

コロナ禍の影響で、令和1年は秋期開催、令和2年は開催されませんでした。
見て頂くとわかるように合格率は15%前後で推移しており、合格率は非常に低い試験ということがわかります。

しっかりと対策を行い臨みましょう!

筆者の受験歴について

冒頭でも書きましたが、筆者はすでに2回受験したことがあり、不合格となっています。
2回の試験結果を貼っていきます。

令和5年【1回目受験】

令和5年度試験の受験結果です。
この時の学習時間は180時間程度でした。

令和5年度試験
  • 午前Ⅰ試験
    前年度応用情報技術者に合格したため免除されました。
     
  • 午前Ⅱ試験
    殆どが過去問題から出題されたため、84点と割と高得点を取得できました。
     
  • 午後Ⅰ試験
    令和5年度は午後Ⅰ試験で撃沈。。。
    当時無線LAN技術が全然理解できず、無線LANが出題された場合は「捨てる」と決めていました。
    消去法で問1【HTTP/2】問2【IPマルチキャスト】を選択したのですが、これが全く解けませんでした。
    特にIPマルチキャストはノーマークだったので、全然点数を取れませんでした…
     
  • 午後Ⅱ試験
    午後Ⅰ試験が合格点に達しなかったので、採点されませんでした。
    どちらかというと午後Ⅱ試験の方は自信があったのですが…お金払ってるんだから採点してくれよと思いました。

令和6年【2回目受験】

続いて2回目の令和6年の受験結果です。
この時の学習時間は260時間程度で、1回目と合計して440時間程度です。

令和6年度試験
  • 午前Ⅰ試験
    この回も応用情報技術者合格の免除期間でした。
     
  • 午前Ⅱ試験
    こちらも過去問対策のみで難なくクリア。
     
  • 午後Ⅰ試験
    なんとか合格点に達しました。
    問1【CDN(Content Delivery Network)】問2【SD-WAN】を選択しました。
    CDNはあまり馴染みのなかった技術だったのですが、基本的なネットワークの知識と技術的な説明が記載されていたので、良問だと感じました。
      
  • 午後Ⅱ試験
    この回は午後Ⅱで不合格。52点でかなり悔しかったです。
    選択した問題は問2【電子メールのセキュリティ対策】です。
    解いてみると、かなりセキュリティに偏った問題で、「本当にネットワークスペシャリスト試験か?」と疑いました。
    「ネットワークの試験ならネットワークの問題を出せよ!」と思い、悔しさに拍車がかかりました。

おわりに

いかがだったでしょうか?
ネットワークスペシャリスト試験の概要をお伝えしつつ、筆者の過去の受験歴についても紹介させていただきました。

次回以降の記事は、私が実践する試験対策などを書いていこうと思いますので、皆さまの参考にしていただけるとありがたいです。

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たおぴについて

勉強を頑張るサラリーマン
たおぴ

30代前半のしがないサラリーマン。IT系の企業にて働いているが、給与面に不満があり転職を決意。
資格勉強なども行っており、皆さまのお役に立てる記事を書いていきたいと思います。

【保有資格】
・情報セキュリティマネジメント
・応用情報技術者
 他いくつか

【取りたい資格】
・ネットワークスペシャリスト(既に2回不合格...)
・プロジェクトマネジメント
・ITストラテジスト(最終目標!)

【趣味】
・洗車

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